君を忘れない

新しい恋

「家まで迎えに来てくれたのか？美希」

冗談まじりに言った俺の言葉はスルーされ、美希はうふふふと不敵な笑みを浮かべる。

「トシ！聞いて！聞いて！1次審査通ったよ！！来月、東京で2次審査！どうしよ～私デビューできるかも～！！」

珍しく興奮した様子で一気にまくし立てると、美希はキャー！やったぁー！と俺に抱きついた。

（そっか、オーディション受けるって言ってたっけ‥）