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美希は、夜になるとギターを持ち出し路上で歌う、ストリートミュージシャンだ。いつかプロになりたい!と話してくれた事を、寝ぼけた頭の片隅で思い出す。
「1次通ったのかぁ~。すげぇな美希!おめでとう❤」
美希の満面の笑顔につられて、俺まで笑顔になる。
「うん!トシ、ありがとう❤」
屈託のない笑顔。普段はクールなのに、俺にだけ見せる人懐っこい笑顔。
心臓がドクンと波打つ。
玄関先だということも忘れて、俺は花の香に吸い寄せられる蝶のように、その唇にキスをした。
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