ビーラーゲリラ

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ダーリット達が配置に着いたようだ。 このまま進軍してくれば正面と左翼の2面から奇襲をかけられる。 あとは敵が広く散開しない事を祈るだけだった。 映像をノーマルに切り替え、敵を目視する。 密林に阻まれてハッキリとは確認できないが、濃い闇の奥から威圧感だけはビリビリと伝わってくる。 やがて、木々の葉が揺れ始め、その間からあの丸いターレットスコープが、1つ、2つと現れてくる。 緊張がはしる。 もはや先頭のダイビングビートルは全身が確認できる。 彼我の距離は30mくらいだろうか。 1歩、1歩、歩を進める度に“ズン,ズン”と振動が伝わってくる。 しかし、ハヌマンはまだ動かない。 誰もが今にも飛び出さんばかりである。 皆、通信機が壊れているのではないかとボリュームを上げる。 汗が滴り落ちる。 すでに何機かは20m程先を通過しつつある。 と、その中の1機が何かに気付いたのか、機体をこちらにむける。 その瞬間 「撃て!」 ハヌマンの声が鼓膜を破らんばかりの大音量で響いた。
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