ビーラーゲリラ

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木立を盾にしながら、1機ずつ、ゆっくりと進む。 しかし、どこかに潜んでいるはずのATは、少しも気配を感じさせない。 ハヌマンの脳裏には様々な憶測が浮かぶ。 ―まさか、撤退した?‥いや、そんなはずはない。どこかで反撃のチャンスを伺っているはずだ― ユオの“亀”が移動しようと機体を起こした瞬間、 『うわぁああぁ』 木立ごと銃撃を受けた! ! すぐさま閃光の光った地点を確認し、反撃する。 「ユオ!大丈夫か?!」 『左腕を持っていかれましたが、爆発はしません。平気です』 『やろぉぉう!』 ドゥクが突進していく。 「待て!」 ハヌマンは制止しつつ、援護の銃撃を続ける。 敵ATが草むらから躍り出て、ドゥクと撃ち合う。 一瞬早く、敵の銃弾がドゥクの“亀”を撃ち貫く! 「クソッ!」 遅れてハヌマンが敵ATを仕留める。 ほぼ同時に2機のATが爆発した。 その炎の向こうに、キラリと何かが光る。 銃口だった。 ハヌマンは右へ右へと回り込みながら叫んだ。 「いた!撃ちまくれ!」 ユオも、片手を失ってバランスの悪い“亀”を必死で抑えながら、ランチャーを撃ちまくる。 また一つ、大きな爆発が起こり、敵ATが下がり始めた。ハヌマンは弾装を替えるのももどかしく、がむしゃらに追撃する。 その時、ダーリットから通信が入る。 『標的、確認した!下がってください!』 前方に閃光が奔り、たちまち2機のATが炎に包まれた。 しかしハヌマンは突進を止めない。 『撃つな!』 ダーリットが、ミゲルとチュオを制する。 挟撃されて行き場を失った最後のATに向かって、ハヌマンは突進していった。 みるみる間合いを詰めると、体当たりを食らわし、倒れたところに全弾を叩き込んだ。 「はぁ、はぁ‥ 」 いつもは穏やかなハヌマンの表情が、この時ばかりは鬼のような形相になっていた。 この時、クメン正規軍の【アッセンブルEX-6】は陥落した。
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