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「奇襲部隊がEX-6に突撃を開始しました」
そこは石造りの小さな古城であった。
建物の中では、大きな通信機の前で男たちが、まるで蜂にでも追われているかのように、右往左往していた。
白の上着に革の肩当てのついた制服は、《神聖クメン王国》の士官達であった。
「陽動部隊はどうなった?」
作戦ボードの前でただ1人、身動ぎ一つせず腕組みしている士官が問いかける。
「戦力のおよそ20%の損失が確認できました。 現在は散り散りになって正確な状況は把握できない模様です」
通信機に齧り付くように座っている士官がすかさず報告する
「よし、上出来だな。
‥陽動部隊は各自の判断で撤退させろ! 余力のある者にはEX-6への攻撃に向かわせろ」
「はっ!」
そして、次々と指令が出されていく‥
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