ビーラーゲリラ

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EX-6では敵戦力の把握に躍起になっていた。 何しろ、1時間前にゲリラ掃討に出かけた部隊がまだ帰還していないので、手薄な状態だったのである。 「北東、第二ゲートより敵AT6機が侵入してきました!」 それは― ハヌマン達であった ゲート脇の詰所と機銃座を一蹴して基地内に侵攻すると、すぐに状況判断を下す。 「よし、予定通りだ! 2機づつ!3方に別れて施設を破壊しろ。 ただし、司令塔は仲間が制圧に向かっているから指示するまで攻撃は控えよ!」 『了解!!!』 「チュオはオレの後ろに続け!」 『はい!』 2機のATはスワンピークラッグについているグライディングホイールを回転させ滑るようなローラーダッシュで移動する。 途中、兵員輸送トラックに出くわすが、体当たりで横転させる。 と、その先の建物の陰から歩兵がマシンガンやバズーカで応戦してくる。 ベージュ色のヘルメットと制服を身につけた、クメン正規軍の歩兵一個小隊だろう。 マシンガンはともかくとして、バズーカの直撃はちょっとつらい。 横倒しになったトラックを盾に“亀”の右手に装備させたHRAT-23 ハンドロケットランチャーで建物ごと吹き飛ばす。 『隊長!右手上方にヘリです!』 チュオがうわずった声で叫ぶ。 「左手の歩兵を黙らせろ。 オレはヘリをやる!」 ハヌマンはそう言って滑走路の真ん中へ機体を進ませる。 小型戦闘ヘリは2機だった。 滑走路の損傷を心配しているのか、ミサイルは撃ってこない。 しかし、機銃で巧みに滑走路の外へと追い立てる 「くそぉ‥」 ハヌマンは小さく悪態を吐いて“亀゛を走らせる。 真後ろから追従してきたヘリの機銃掃射を肩口に受け、左肩装甲板が消し飛んだ! バランスを崩しながらクルリと半回転して、なんとかランチャーを上空に向ける。 闇雲に放ったロケット弾が偶然、戦闘ヘリにヒットした! ヘリは赤い炎の塊となって背後の滑走路に墜落した。 しかし幸運もここまでだった。 動きの止まった赤い亀にもう一機のヘリが迫る!  ―やられる!― ハヌマンは身を堅くする。 その瞬間、ヘリは横合いからの銃撃を受け四散した。 『隊長!』 チュオだった。
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