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司令塔近くで別のAT隊と遭遇した。
別方面より突撃した、同じスタンディングタートルの部隊だった。
『よぉ、ハヌマン
へっ。無事だったか!』
声の主は別部隊を率いるホアンザ隊長だった。
「 …、 遅かったな‥ 」
ハヌマンはこの男が好きではなかった。
『へっ、遅いのはお前等だろう。もうオレの部隊が司令塔に攻撃を開始する頃だ』
その言葉にダーリットが噛み付いた。
『なんだとぉ!あとからノコノコやってきて手柄だけ持ってくつもりか!?』
「よせ、ここでモメても仕方あるまい…
なら我々は帰還してくる敵本隊を叩きにいく」
『へっ。司令塔をブッ潰したらすぐに援軍にいくよ。
それから、若い奴らにはもう少し口の利き方を教えとくんだな。
精々長生きできるようによ!
へへっ』
とホアンザがヘラヘラと口にする。
「いくぞ、西ゲートの外で待ち伏せる」
ハヌマンは敢えて何も答えずに、部下たちに指示だけ与えて西ゲートへ向かった。
『隊長!‥』
西ゲートへ向かう途中でダーリットが不満げに話し掛けてきた。
「なにも言うな。
やり方はどうあれ、仲間には違いない。
それと、我々は戦果を競っているのではない。理想を実現させるためだ。
そうだろ?」
そうこうしている間に、西ゲート外の密林へと辿り着いた。
「よし、無駄話はここまでだ。
各機、30m間隔でジャングルに身を伏せよ。
敵本隊は必ず戻ってくる。
気付かれないように索敵を開始しろ!」
『了解!!!』
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