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背後では、まだ散発的な銃撃音と爆発が続いていた。
しかし、密林に身を潜める6機の“亀”には遠く、他人事のように聞こえていた。
しばらく何事も起きなかった。
まるで時間に取り残されたような感覚すら覚える‥
と、左に展開しているダーリットの通信が、此処はまだ戦場なんだと告げる。
『きた! ‥ATが3、…いや5機だな』
「‥先遣隊だな。そのままやり過ごせ。 ホアンザへのプレゼントだ」
『了解ぃ。』
「我々の狙いはあくまでも敵本隊だ。ここを潰せば我々の完勝だ。 気を抜くなよ」
『了解!!!』
誰もが表情を引き締めた。
敵の先発隊は密集体型をとり、駆け足気味で進軍してくる。
アッセンブルの急を聞き、慌てて引き返してきたのだろう。
―この差し迫った状況でもキッチリ部隊を分けてくるとは‥ 案外侮れないな―
ハヌマンは敵部隊長の力量を推し量り、少し不安を感じた。
―しかし、引くわけにはいかん―
操縦桿を握りなおす。
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