海浜ラビリンス

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彼女にはその後会ったんだ。偶然にだよ。 アーチスタフォルモ買って来てって言われて、新宿行ったらそこの文具屋でバイトしてたってわけ。グレート。 誰かに運命を絡まされてるなら、それも構わないってわけ。 だいたい俺が素直に指定された店にお使いに行くかがまず、サイコロじゃん。 彼女とは、その次の週末シーサイドの水族館に行ったんだ。 せっかくだからね。 ちゃんと電話して、待ち合わせしてね。 ソコの浜には迷路ってのがあって、俺のツレのジローってのがバイト中なんだ。 なんたってただで迷子になれる。 ジローっていうのは、俺と違っていつも襟のついたシャツを着てるんだ。 襟がないと、襟をたたせられないから困るらしい。 何だかヒーローみたいだったから、俺はジローって呼んでた。 奴は本当はモリオっていうらしい。 いや、それがファーストネームかは知らんよ。 ただ、成城学園前じゃモリチャンって呼ばれてるかなんかは関係なく、俺にとってジローだったし、本人もモリオじゃなきゃ何でも良かったみたいね。
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