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会場は、ハゲか白髪のじじぃが埋め尽くしており、その数およそ1000人はいる。
まさに加齢臭、
『THE・オヤジ』って香水をふりまきましたって感じの空間に、妙な殺気すらを感じさせられる。
日本人独自の奥ゆかしき精神の表れか、最前列が空いており、何の疑問もなくマス夫は最前列に座した。
それはハーフである、彼の外国の血がさせた……訳ではなく、単に前の方が谷間により近付けるという極自然な人間の本能であった。
しばらくして席は埋まり、独立法人サンタクロース現会長の取るに足らない話が始まった。
髭がウザイと思った
刹那
マス夫は自分がしてしまった過ちに今頃気が付いた。
受け付けの人が面接会場の表舞台に立つ可能性は極めて低く、あのまま入り口付近に残っていたらまだ谷間と話す事ができる可能性があったのだ。
覆水盆に返らず
「それではぁ集団面接を開始いたします。」
と、取るに足らない話が終わると同時に数人のオヤジが高らかと挙手をした。
その中のハゲたオヤジが指名され、志望動機と意気込みを発表した。
どうやらマジで千人単位での集団面接らしく、会社からの質問はなく完全自主的に主張を行わなくてはならない様だ。
「子どもたちに‥夢を…‥希望を‥…娘が若くしてこの世を去り…‥サンタクロースを信じる純粋な気持ちを……‥」
どのオヤジの口からも嘘臭いセリフが飛び出し、一年間考えた作文の発表会みたいになっていた。
そんな中、ついにマス夫が挙手をし、指名された。
マス夫は一点の曇りもない瞳で堂々と
「受け付け嬢の谷間が頭から離れません!谷間見たさに来ました。」
言いやがった。
会場は一瞬にして静まりかえり、自信満タンに起立しているマス夫へ視線は集まる。
その時、髭がウザイ会長の重い口が開いた。
「私もだ‥‥‥」
静まりかえった会場に一つ
そしてまた一つ拍手がなり響き、会場は歓声の声と拍手で埋めつくされた。
のちに、この事件は『2007谷間宣言』として入試の問題に選ばれる程、後世に伝えられていった。
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