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私がこの日まで彼氏を作らなかったのは、未だに彼に好きな想いを寄せていたからだ。
それは長かったし、でもそんなにすぐに諦めれなかったから待てたんだと思う。
彼は覚えているのかな……?でも手紙をくれたってことは、覚えているんだろうな。
「何手紙握りしめてニヤニヤしてるん!?気持ちが悪い……」
白いニット帽を被った胡桃が、横から顔を覗き込んできた。彼女が喋るごとに、白い息が宙に舞う。
「ニヤニヤなんかしてないし!!」
必死に私は言い返すが内心、心臓の鼓動は早くなるばかりー……。
季節は冬。そして今日はクリスマス。
駅のホームには私と胡桃しかいなかった。電車待ちの乗客は、待合い室で肩を震わせながら、腰を下ろしている。
待合い室は小さい駅のせいか暖房は付いていなかった。
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