§帰りを待つ§

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「茜は顔見たらすぐわかるよ!!早く会って抱きしめたいわぁーとか思ってんねんやろ?」 「何言ってんのよ!もぉ!!」 言われながらも顔を赤面させて、まさかまさかそんなことがあったらどうしようなんて考えていた。 いやでも、それは淡い期待に過ぎなくて、実際彼がここに来たからと行って付き合える根拠がなかった。 ただ彼の帰りを待っているだけ。例えて言わば、人気スターがライブを終わって帰るところにいる、出待ちのファンのようだった。 高校の卒業式に告白をして、返事はオッケイだったものの5年経つと何があるかわからないー……。 正直不安だった。
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