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「何だかすいません」
と、突然前田さんが謝ってきた。
「何がですか? 」
「如月さんのお邪魔しちゃってるみたいだから」
「さっきも言いましたけど、趣味で写真を撮りに来てるだけなんで気にしないでください」
流石に彼女と来る予定でしたが、肝心の彼女が出来ませんでしたとは恥ずかしくて言えない。
「それならいいんですけど。でも私的には如月さんに会えて良かっです」
そう言って微笑む前田さんに、俺の胸の鼓動は大きく跳ね上がった。
「だって如月さんに会わなかったら、この景色を見なかったかもしれないです」
景色……やっぱり落ちはそうだよな。
ひっそりと何かを期待してしまっていた俺は軽く落ち込んだ。
「まあ、俺もテレビで見てから調べた程度の知識しかないんですけどね」
本当は彼女に何を聞かれても大丈夫な様に、かなり下調べはしていたりするが。
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