プロローグ、忘れられない出会い

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「親父のやつぅ! どうして起こしてくれなかったんだよ」 朝食もナシ、髪もボサボサ、そんなヨレヨレの俺がその家の前を走りすぎたのは十時を過ぎていた。 いつもより三時間も遅くなったのは寝坊したからで、元を正せば昨日の深夜、俺が友達の家で遊びほうけていたのと親父の飲み会が重なったからに他ならない。 多分、親父も寝坊したのだろう。 俺を起こす余裕などないぐらい荒れ果てたリビングを見るだけでそれは明らかで……しかし、俺は親父に文句を言うことでしかこの焦りをぶつける場所を見出せなかった。
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