非現実の始まり

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「ちょ……まだ何も言ってないだろ!!」 「お前の考えなんてお見通しだ、動けるなら飯食って早く出てけ」  跳び上がり怒りをアピールしている。勿論完全スルー。 「頼む、手伝ってくれ!! このままじゃ俺が地獄に落とされちまうよー!!」  全力で土下座をしてくるが、俺の気は変わらない。 「地獄に?どーぞどーぞ」  我ながら何という外道ぶり。NOと言える勇気、大事ですよ日本の皆さん。 「う……頼むよぉ……」  くそ、遂に泣き落としにでたか。目を潤ませてこちらを見ている。 「……っ! とにかく無理!!」  何とか回避した。さすがに良心の呵責があるけど。 「ちっ、ケチ野郎」  何か今聞き捨てならない単語が聞こえた気がします。つかアイツ泣いてないし!!
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