69人が本棚に入れています
本棚に追加
大きな音をたててドアが閉まった。そして小さく鍵とチェーンをかける音も聞こえてくる。
あーぁ。嫌われちまった。
ま、仕方ないか。あんだけ意味不明なことを言われたら、人間なら誰でもあぁなるよな。
でも、アイツじゃなきゃ、晴じゃなきゃダメなんだよ。
目を覚まして初めて見たとき、微かだけどアイツがそこにいた気がした。
最初は夢かと思った。この世界にはもうアイツはいないのに、そこにいたように。
そして直感で分かったんだ。晴はきっと――
その時、全身に低い振動の様な感覚が伝わる。
「……!? この感じは!!」
この脳に直接響く様な振動、間違ない。
でも、今の俺は……くそっ、行くしかない!!
一瞬の躊躇を振り切った俺は、その気配に向けて走り出した。
最初のコメントを投稿しよう!