非現実の始まり

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「飯よこせー」 「うわぁぁぁぁぁ!! 悪霊退散悪霊退散!!」  食料を要求してくるそいつにそこらの食器やら調味料の瓶を投げ付ける。しかし、軽々とかわされた。 「お前……一体何なんだ!!」 「俺?死神」  格闘と混乱により息切れし始めた俺の質問に何のためらいもなく死神と答えやがった。  はぁ? この畜生は何を言ってるんだ。死神? んなもん空想の産物だろうが!! 頭の中をたくさんの疑問符が埋め尽くした。 「そりゃあ簡単には信じられないだろうなー。でもホントにいるんだよ、死神は」  状況が飲み込めない。  取りあえず、少しずつ疑問を解いて行くことにしよう。 「死神って……鎌持って人の魂を取ったりするよくあるアレか?」 「んー。似てるようでちょっと違うな」 「はい?」 「俺は”業拾い”の死神なんだ」  完全に意味がわかりません。わかろうと努力はしたつもりですよ。 「何だよ……業拾いって。まずはそれを教えてくれ」 「業とは人の前世での過ち、そしてこれから待ち受ける運命の総称。それを人は今の人生で償い、活かしながら生きていくんだ」  やっぱり理解不明です。 「で、死神はその流れが正常に行われるかを監視する者なんだ。万が一償いを放棄し同じ過ちを繰り返せば……そいつの魂を刈って地獄にドーン☆」
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