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  「こんな所にいたのね…空。ずっと…探したわ。」   さっきとは違い、はっきりした声で、少女は僕に言った。 くう、とは僕の事だろうか。 しかし、僕の名前は空などではない。 おそらく、少女は誰かと僕を勘違いしているのだろうと思った。 そしてまた、少女が言った。   「ずっと…殺したくて殺したくて仕方がなかったのよ…?」   僕は一瞬自分の耳を疑った。 こんな僕と同じくらいの年頃の少女が殺す、なんて言うなんて、信じられなかった。 冗談には思えないはっきりした口調と笑っていない瞳。 僕は怖いというよりも、ただ混乱していた。    
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