ふたり~柿の樹

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ふたり~柿の樹

#1 もういっそ遠くへ消えてしまいたいけれど それはやっぱり苦痛(かなし)くて 未だに別の誰かを探してしまう 起こされるまで それを見つけるまでのあいだは この想いは届かずしも響く、と ただ過去へと願いを放るのみ もう許してはくれないのかな… #サ ふたりは 互いに分かち合ってた 優しさと激しさが フレッシュに記憶されてる #2 険しい罵声(いやなことば)を重ねて与えてくれたのなら 私は喜んでそのすべを掴むのにと 懐かしい柿の樹にすがってみたり はやく理解出来るほど神経は調っていないから 汚い態度(想い)しか浮かばないの いい子のふり、見抜かれてますか? #サ ふたりは 同じ訳(もの)を持っていた 等しくて尊いそれは 軌跡達が駆け抜けたフラッシュ #D この想像のなかで繋がっていられるなら それでもいいと思う そうでないと 貴方に似た新しい物質(なにか)を求めてしまうから 振り出しには出来ない #サ (貴方は 訳アリを隠さない 唐突で適当な言い訳を 私に教えた) ふたりは 同じバショに招かれて 細やかに涼しげに 同じフレイヴァーを嗅ぎわけた
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