失敗作

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マルレラがスイッチのボタンを押すと、 「プシュウウウ…」という音をたてながらカプセルが開いた。と同時に人間がでてきて立ちあがった。 ??? 「ううう?う!?」 それは少年だった。黒い髪の毛を生やし、顔は肌色、身長は150cmぐらいで華奢な体つきだ。 ソルゾーン 「マルレラ‼あ、あれがゼンなのか⁉あのひ弱そうなガキが…」 マルレラ 「あれでも成長したほうです❗ある受精卵にゼン細胞を埋めこみ、生まれてすぐ特殊な液で満たされたカプセルの中に入れて、12年かけて育て上げたのです。ただ問題は…」            ソルゾーン 「問題とは何だ?」 マルレラ 「先程も言ったように生まれた時からカプセルの中なので、感情を表す事や喋る事が困難、つまり赤ん坊と変わらないのです」 ソルゾーン 「何⁉貴様、最強の、完璧な戦士を造ったのではなかったのか⁉」マルレラ 「大丈夫です、王様。知能も最高レベルになっています。1ヶ月も経てば…」 ソルゾーン 「そんなに待てるか❗我は気が短いのだ。ハンよ、構わん、さっさと闘え」 ハンは大剣を背中の鞘におさめて、ゼンに殴りかかった 「ズド~ン‼」 ハンに吹っ飛ばされて ゼンは後ろの壁に叩きつけられた。が、すぐ起き上がった。      マルレラ 「見て下さい王様‼あれほどの攻撃だったのにダメージを全く受けておりません」 ソルゾーン 「話にならんな。私は最強の戦士を造れと言ったはずだ。闘えぬのならまだ雑兵の方がマシよ。」 そのとき、 ゼン 「うわぁぁぁー‼」 先程の衝撃で壊れた壁の隙間からゼンが逃げ出したのだ。 ソルゾーン 「何っ⁉ハン、ゼンを追え‼急げ‼」 ソルゾーンの怒声を聞いて、ハンは急いでゼンを追った。だがすぐにゼンを見失ってしまった… (王の間) ソルゾーン 「全く、どいつもこいつも役立たずばかりだな。」 マルレラ 「申し訳ございません、ですが必ずこの城内にいるはずです。」 ソルゾーン 「当たり前だ。しかし、とんだ失敗作だったなゼンは。」 マルレラ 「………。」 ソルゾーン 「まあよい。外に出ると何かと厄介になりそうだ。すぐに見つけ出し、ここへ連れてこい❗」 マルレラ 「はい、既に手は打っております。ハンに城門の見張りをさせ、場内を警備ロボット十体で捜索しております。」その時、「ウィィ――ン‼ウィィ――ン‼」とけたたましい警報音が鳴った。 マルレラ 「こ、この音は⁉王様、これは警備ロボットが標的を発見した合図です‼」 ソルゾーン 「よし、場所はどこだ?」 マルレラ 「2Fの発電室です‼」
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