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ソルゾーン
「直ちにそこにハンを向かわせろ❗そしてこう伝えろ、『捕まえられないときは、殺しても構わん』とな。」
(2F)
ハンは急いで発電室に向かっていた。だがハンは戸惑っていた。自分の耳が正しければ王様達はあの少年を『ゼン』と呼んでいた。まさか、やつがあのゼンなのか?もしそうだったとしたら俺がやつに勝てるわけがない❗俺はただの実験台にされていたということか…ふざけるな❗もう許せん❗こうなったら滅茶苦茶にしてやる❗100mほど先にある部屋の前に警備ロボットが立っている、どうやらあそこのようだ。部屋の扉を開けると、部屋の隅っこで身を潜めているそいつがいた。
「お前をここから逃がしてやろう❗ついてこい❗」とハンは言った。しかしゼンはそこから動かなかった。そこでハンは無理矢理ゼンの腕を掴み、もう一方の手で背中の剣を抜いた。
「外には警備ロボットがいる。この部屋の壁を破壊してやる。ぬぅん❗」ハンは力一杯剣を降り下ろした。
「ドゴォォーン‼」
ハンは目の前の壁を吹き飛ばして、そこからゼンと一緒に飛び降りた。そこからできるだけ早く、遠く、ハンは走った、いつソルゾーンが追っ手を繰り出してくるか分からないからである。しばらく走ると目の前には森があった。ハンはゼンを連れて森の中へと入っていった。
一方、その頃魔王軍では…
(王の間)
「なにぃ~⁉ゼンがいなくなった?しかもハンもいなくなっただと⁉」「はい、王様、大きな物音がしたので警備ロボットが部屋の中に入ると、壁が破壊され2人は消えていたようです。」「それで?」「はい、闘技場で申したようにゼンは赤ん坊同然です。ですから壁を破壊したのはハンで、無理矢理ゼンを連れ去ったということです。おのれ❗ハンめ❗」「そうか…まさか我が部下から裏切られようとはな…しかもあんな下等魔族に…」「王様⁉」「裏切りものには死あるのみだ、マルレラ。ことごとくゼンを逃したお前にもう一度だけチャンスを与えよう、もし次のチャンスを逃したらお前の命はない。ハンを見つけ次第抹殺せよ、そしてゼンを捕まえろ。いいな?」「お、王様、おお待ち下さい‼私は今日まで王様の下でゼンの研究を…」「黙れっ‼そのゼンを逃がしてしまったのはお前自身ではないか。」「……。」「今すぐゼンを探しだしここに連れてこい。」「承知致しました。」マルレラが王の間から出ようとすると、ソルゾーンが「待て。」と言った。
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