俺とメタボな赤い人

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普段の閑散としたイメージから掛け離れ、不覚にも煌びやかだと感じてしまう季節。 冬の風物詩か、はたまた代名詞とも呼べる物か。 そう、クリスマスだ。 俺は今、その真っ最中に居る。 まぁ、それは俺に限定して言える事じゃねーけど。 つまり、他の奴らもクリスマスだ。 だが、俺と他の奴らには隔絶とした差がある。 それは俺が今独りなのに対して、他の奴らは誰かと居るという事だ。 憎い……正直憎い。 彼女? 彼氏? はっ、片腹痛いわっ!! そんなもんに現を抜かしている暇が有ったらなぁ……俺にも幸せを分けて下さい。 お願いします。 まぁ、そんな感じで、辺りに在る物全てを手当たり次第に恨めしい眼で見ながら街を徘徊する俺の目の前には、当然の事ながら幸せを振り撒いている奴らが居る訳だ。 そんな奴らを見て、俺は思った。 人の幸せってどうしてこんなに憎いのだろうかと。 夜の街は鮮やかにライトアップされ、そんな奴らをこれでもかってくらいに幸せに見せさせている。 これは俺に対する当て付けですか? それとも俺に対する挑戦状ですか? だったら受けてやるよ、コンチクショー。 「俺は既に負けている」ってどっかのムキムキな身体に星座が刻まれているような人みたいな事書いて、ゆうパックで送り返してやるわ。 なんて、寂しい事を思いながら俺は目的も無く歩いた。
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