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そんな奇声とともに、完全に油断していた僕のテーブルめがけて、黒い何かが飛んできました。僕は、あまりの迫力のある何かのダイブになす術もありませんでしたが、人間の防衛本能が働き、「避けなくては…」と銃弾を避ける映画マトリックスの主人公のように、美しく避けようとしましたがやはりワンルーム、思い切り壁に後頭部を強打したのです。
目から火花、飛び散る味噌汁、崩れる荷物。まるで字余り川柳のようですが、事態は次の瞬間、最終局面を迎えました。
頭を強打し、ひるむ僕の膝の上にそれが乗ったのです。
それはネズミでした。
「うおおぉぉぉぉぉおおお!!」
僕は新宿発、渋谷から池袋までの半径で聞こえない人はいなかったというぐらい叫びました。
それ以来、家に帰ってくるとなんとなく、テレビをつけるのが不安な、嫌~な気持ちになる事があります。
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