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穴から外に出た瞬間、俺は空中へ放り投げられた。
予想はしていたが、3階からの落下となるとキツい。
俺はどこかに包帯を引っ掛ける場所がないか探したが、
「ぐっ!?」
背中に強い衝撃を受け、一瞬思考が停止した。
息が詰まり、身動きもできない。
どうやら、隣のビルの壁に叩きつけられたようだった。
「く……そっ……」
気付いた時には、何もすることが出来ずに落下していた。
灰色の地面が迫る。
硬そうだとか、冷たそうだとかそんなことばかりが頭に浮かんだ。
そして、ドンと体中がバラバラになりそうな強い衝撃。
「……死んだ、のか?」
左肩から落ちた俺は、動かずにうつ伏せに倒れていた。
実はダメージはさほどでもない。
落ちることを覚悟した俺は、包帯による防御を固めることに専念していたのだ。
それでも動かないのは何故か。
それはもちろん、サーペントワンを出し抜くためである。
「おい、死んだ、のか?」
羽音が近付いてきて、サーペントワンも地上に降り立ったようだった。
足音が規則正しく近付いてくる。
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