23.少年の叫び

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首の後ろにビリビリとした殺意がはしる。 この体勢からでは避けられない。 俺は思い切って、空振りの勢いを生かしサーペントワンにタックルを食らわせた。 「おっと」 大した助走もなかったのでサーペントワンは難なく俺を受け止めたが、零距離のため鎌の一撃を防ぐことはできた。 また、この距離なら小回りの効かない鎌より俺の包帯の方が有利だ。 包帯の刃をバラした俺は、勘でサーペントワンの背中に切りかかる。 薄羽を一枚切ることに成功したが、他には何も当たらなかったようだった。 「やる、な」 サーペントワンがボソッと呟くのが聞こえた。 するとカマキリ状態の腕が普通のものに戻り、サーペントワンは俺を抱きかかえてくる。 「何を――」 強い圧迫に、俺はそれ以上声を出すことができなかった。 ひょろひょろしているクセに、妙に力が強い。 何とか腕の中から逃れようもがいていると、不意に俺の体が浮かんだ。 「じっと、してろ」 嫌な予感がする。 サーペントワンは俺を抱えたままフロアを高速で飛び始めた。 向かう先は、先程サーペントワン自身がぶち抜いた穴である。
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