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「ちなみに広場に人が居ないのはその悲鳴が原因ね、皆こんな日くらい静かに暮らしたいのか逃げて行ったよ」
「悪いことしたかな」
「いや、むしろ有り難い、これ以上他人の幸せを見せ付けられても、更に神を憎んでただけだし」
「本当にそう?なら良かった」
彼女が爽やかに笑うと、なんかこう荒廃した現代社会に疲れた心が癒される気がした。
というか間違いなく癒された。
ヤバい、これは恋の予感。
などと思ったりするが、こんな可愛い子に彼氏が居ないわけがないよな。
あーあ、想像すると落ち込んできた。
「で、何があったんだ?言いたくないなら言わなくていいけど」
遠く見るように首を伸ばしていた女は、当然の質問に待ってましたとばかりに口を下弦の月のように広げて笑った。
「私のこと匿ってくれるなら教えたげるよ」
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