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煌めく虹色に混ざりあった外灯の下で、俺は旗を振りながら胸中で愚痴を呟き続けていた。
早い日暮れに包まれる商店街は、まだまだ活気付いていく一方で一向に衰えようとはしない。
喧騒が耳障りで、はためく旗が目障りで、何よりこんな寒い中クリスマスケーキの宣伝のために旗を振る自分が一番腹立たしい。
「はぁ」
ただただ孤独に旗を旗を振り続けていると、暇な脳は嫌でも思考を展開していく。
冴えない上に、俺は不運だった。
んや、冴えないから不運なのか?
どっちでもいい……、とにかく俺はついてなかった。
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