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軽い足音が石畳を叩き、近付いてくるのが分かる。
うーん……この状況を見るに、もしかしてヤバい?
さりげなく後退りして、冴えないケーキ屋の中へ逃げようと企てる。
しかし俺はケーキ屋の中へは入れなかった。
その前に一人の女が商店街の大通りから広場へ飛び出してきたからだ。
激しく息を切らせた女は、広場へ入るとすぐに膝に手をつき肩を上下させる。
遠目で見て分かったのは、その子がただかなり可愛いということだけだった。
白く輝く綺麗な短めの金髪に、色白の肌を紅潮させる瞳の大きな女は、スタイルも良くて、余程の変人以外は皆恋をしそうなくらい可愛い。
俺なんかは一生お近づきになれなさそうな女の子だ。
居るんだな。
あんな女の子。
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