花葬前夜

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僕の此の命 枯らして 差し上げましょう… 貴女が望むのならば 共に逝こう… いつか枯れ朽ちる その日マデ こんな僕を見るのは 辛いでしょう? 瞳に涙が浮かんでいる… 貴女を哀しませる事に なるならば このまま 枯れて逝きましょう… どうか貴女への 想いが消えぬよう ただただ祈るだけ… 僕の此の命 枯らして 差し上げましょう… 貴女が望むのならば 共に逝こう… いつか枯れ朽ちる その日マデ いつからか この日が来る事を 恐れるようになっていた 貴女は僕を抱きしめて 泣いてくれた… 貴女の涙が頬を伝い 僕の頬を濡らしていく… 「サヨナラ もうお別れです…」 微かな意識の中で そう思う度 涙は零れ 静かに消えていった… 貴女の腕に堕ちていく… もう元には戻れない 僕の此の命 枯らして 差し上げましょう… 貴女が望むのならば 共に逝こう… いつか枯れ朽ちる その日マデ きっといつか 貴女のもとへ行くから その時は少しだけ 愛して下さい…
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