下弦の月~Last Quarter~

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夜の街にそそいだ 月の明かりさえも脆く 刹那に咲いた華 儚く風に揺られ 傍に寄り添えば…ほら 暖もりを感じられる 君を呼んだ声さえ 風にかき消されていく 月は欠けたまま 空に浮かんで…僕を誘う 街の灯は 風に揺られていく 心もさらわれていく… 蒼く照らされていく 僕の心を見透かす 罪を背負いながら 生きていく辛さまで 涙に全て詰めて 空を仰ぎ流したのも 償い捧ぐ手に 零れていく言葉さえも… 君の居ない部屋に 差し込んだ光… 僕を満たして 街を照らせど 陰に蝕まれ 心が闇に墜ちていく 君を求め 延ばした両手も… 届かないまま 君に伝えた言葉が 部屋中を 埋め尽くしていく…
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