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息をきらしてツリーまで行くと両手を口元にあてている君がいた。
「遅いよ! おかげで体冷えちゃった」
どうしてこんなにクリスマスが大事かな……僕に女心はよくわからない。
僕はかすかに震える君の手をすぐに握り締めた。本当に冷たくて罪悪感が湧いてくる。
「手。あ、あったかいね……」
少し赤くなった君の顔を見て僕は思わず笑みをこぼした。
「笑ったな? 誰のせいでこんな寒い思いをしたんだろーねー?」
僕はもう一度笑ってから右手を君の肩にそっと置いた。
「…………」
しばらく沈黙の後、僕は目を閉じて唇を重ねた。
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