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  僕が筆を執ったのは、なんというか、決して自発的なものではなく、執らざるを得なくなった為に筆を執ったのある。 しかしここで言い訳というか当然の弁明というか、とにかく釈明させていただきたい。 この執らざるを得なくなったのは、いわゆる「作家としての使命感」とか「後世に残しておかねばならぬ意志」とかでなく、かといって「関口巽のように生活の貧窮を打開するため」というわけではない。 はっきりと言ってしまえば今から綴る「お話」は「七転八倒」「鯨飲馬食」「荒唐無稽」であり、歴史的価値に関して言わせてもらえば「猫に小判」「馬の耳に念仏」「豚に真珠」という言葉すらもったいないほどの無価値なもので、さらに言わせていただけるのなら「無料奉仕」なのだ(ここ、重要)。 ではなぜ筆を執ったのかというと、簡単な話で、当作品の主人公(として読んでいただける事を切に願っている)のライオットチーターによる命令に他ならない。「脅迫」と言っても良い。
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