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━2XXX年━━
宇宙開発の最中、人類は土星の環から未知の物質を発見した。極めて高濃度で特質的な放射線を発するその物質は人類の新たなエネルギー源として、人々の期待を集めた。
しかし、この物質はこの人類の期待に違った意味で答えることとなる。
『モチコニウム』と名付けられたその物質の研究開始から数年後…、火星に設置された研究施設が突如原因不明の大爆発を起こし、高濃度の放射線が宇宙に放たれた。
勿論、この放射線は地球にも大量に降り注ぎ、人類は皆例外なくこの放射線を浴びることとなった。
この事件は『マーズ・レイディエイション』と呼ばれ、当初は皮膚ガンなどの放射能障害などの問題が懸念され、一部では人類が絶滅するのではないかという声もあがった。
しかし、この『マーズ・レイディエイション』が人類にもたらしたものは、皮膚ガンなどの放射線病でもなければ、人類の滅亡などというものでも無かった。
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