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“親愛なるサンタさん。
ぼくはサンタさんが好きです。まだプレゼントをもらったことがないけど、ぼくは信じています。だってクリスマスにはサンタさんが来るって先生が言ってたからです。先生はうそをつかない人です。
ぼくはサンタさんがいたらしあわせだと思います。
でも友だちにサンタなんかいないって言われました。
ぼくがいるよと言ったら友だちがばかだなって笑いました。プレゼントはふつうパパが買ってきてサンタのふりをして寝てる間にくつ下の中に入れていくんだぞと真くんが言いました。
ぼくはお父さんにプレゼントをもらったことがありません。だからうそだと言うと和希くんがびんぼうだ、びんぼう家族だと笑いました。
うちに帰ってお母さんに話したらしかられました。
ばかな子だね二度とそんなこと言わないできらいになるよとこわい顔でどなられました。
ぼくははいと言ったけど次の日に真くんと和希くんにサンタさんいるもんと言いました。ふたりにびんぼうあっち行けと言われていっぱい雪玉をなげられて冷たかった。泣きました。それから友だちに話かけてもしらんぷりされました。次の日もその次の日も友だちはぼくと話そうとしなくて、お母さんからはサッカーなんかやめなさいと言われました。
ぼくは昨日お母さんにびんぼうって言われないようにべんきょうがんばるからと言ったけど、お母さんは顔をくしゃくしゃにしてばかとどなってお家からいなくなりました。
お母さんはまだ帰ってきてません。
だからぼくは今日友だちにサンタさんいないって話しかけました。
友だちは笑ってくれたけどびんぼう、こっちくるなと雪玉をなげられました。
でもないしょだけどぼくはサンタさんはいると思います。だから手紙を書きました。
サンタさん、おねがいがあります。ひとつだけ、おねがいがあります。”
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