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「では卒業の儀式をしていただけますか?」
「はいはい。すぐにでも」
先の返事はせず話を進めると、校長は気にした様子も無く足早に真っ白な厚紙を取って来て、
何かを呟きながら人差し指に光をためていく。
「剣士様、お名前を伺ってもよろしいですか?」
光を集めた指先を紙へ滑らせながら校長は尋ねる。
「クロス・セリアス」
素っ気なく答えるクロスに彼ははいはい。と頷き、最後にクロスの名を紙に書き儀式を終わらせた。
「シロ、卒業おめでとう。白いお前が卒業できて、私も嬉しいよ」
そう言って校長は卒業証書をシロへと差し出す。卒業式が行われる、大きな講堂ではなかったが、
シロは頬を紅潮させその紙を受け取った。
「ありがとうございます、校長先生。お世話になりましたっ…」
素直に喜ぶシロに複雑な笑みを浮かべたクロスは、
さっさとここから立ち去ろうと小さく礼をして校長へ背を向ける。
すると校長がクロスを呼び止めた。
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