- 涙 -

11/11
前へ
/30ページ
次へ
「もう出発されるのですか?よろしければ今日はわが校へお泊まりください。  うちは他の学校と違い、寮も兼ねております。それの部屋は狭いですので、別の部屋を用意致しましょう」 いかがですか?とにこやかに勧める校長に嫌気がさしたのか、微笑むのも止め、 結構。と断ろうとした時、シロが彼のマントを引いてきた。 「僕からも、お願いします。  外はもう暗くなるし、学食はとっても美味しいの。旅のね、準備もしたいから…」 卒業証書を抱き締めたまま嬉しそうに提案されれば、そのシロの様子に再び微笑みを浮かべると、 それではお願いします、とクロスは再び校長に向き直ったのだった。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

845人が本棚に入れています
本棚に追加