勝負開始、負けられない。

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事の発端は僕にある。 僕の小説は出版され、売れに売れていた。 ついでにテレビになんか出たもんだからもう人気はうなぎ登り。もちろん本業も忘れない。   僕の小説は舞台となり、当然沢山のスタッフとも知り合う。美しい舞台女優とも知り合う。 僕の小説は経験を基にした恋愛小説。リアリティーを求める意味で、舞台女優とも深い仲になるのは仕方のないことだろう。   彼女にも当然バレる。 しかしこの障害程度、心から愛し合っている僕達にはなんてことはない。むしろこの障害を軽く乗り越えて更に僕達の愛は燃え上がるだろうと考えていた。彼女を信じていたのだ。 だがその信頼は裏切られた。   彼女との溝は深まるばかり。彼女にとっては僕が悪者で裏切り者なのだ。やれやれだ。   君も恋愛小説を書くのならばわかるだろう? 彼女は言う。 人生が作品ならば、あなたの作品姿勢はまちがっていますわ。   面白い。では勝負しようじゃないか。   望むところですわ。
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