嘆く男

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俺は暫くベンチでモバゲーでもして彼女が起きるのを待っていた。     時刻は22:00 公園に何時間いたか分からない程いる。   「はぁぁぁッ!!」     指が冷たくなり、全身がドンドン冷えてしまったようだ。   30分程度待っていたが、いつになっても起きないので俺は自分の家に彼女を連れていくことにした。     これまた初めてお姫様抱っこをした。   俺の家は人通りが少ない所なので、特に恥ずかしがらずに家に帰れた。         彼女をベッドに寝かせて俺は冷えきった体を温めるために風呂に入ることにした。   風呂は俺の冷えきった体だけじゃなくて、心までも暖めてくれた。     風呂をあがる頃には俺の体は温まり、ビールを手にグビグビ飲んでいた。   「………かぁぁッ!! やっぱり風呂あがりにはビールだよな!」   俺の至福一時を一瞬にして消しさったのはベッドで寝ているはずの彼女がいなくなっていた。     「はっ!?!? 何処に行ったんだ? 自分の家にでも帰ったか?」   さほど心配せずに床に着き、寝ようとしたのだが、突如ドデかい光と音により俺の睡眠は妨げられた。           「ズゴゴゴゴゴッ!!!」   それは俺の住む家のちょうど上で起こっているようで、音がかなり五月蝿かった。     まったく、神様は俺の心臓をこれ以上に弱らせたいのか…。   今年のクリスマスは何かが違う気がした。  
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