母の記憶

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1993年 ー冬ー 14歳 中学2年 私は中学生になってから、あんなに大好きだった両親とあまり口を利かなくなっていた 両親の間でも会話が交わされる事がほとんどなくなり、私は家族で居る事さえも苦痛に感じ始め、自然と自分の部屋で過ごす事が多くなった 内装業を自営でしていた父は、仕事は真面目だったが私が中学にあがってから急に酒の量が増え始めた 専業主婦だった母はいつも愚痴をこぼしていた 金銭的に裕福だったわけではないが、人並み以上の生活が出来ていたと思う けれど母はいつもどこか寂しそうだった
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