ラストスノー

その時

ガチャッ！

いきなり部屋のドアが開き、ママが入ってきた。

そして僕の所まで来ると、何も言わずに部屋のカーテンを閉めた。

「どうしたの…ママ…？」

僕はいつもと違うママの様子に戸惑った。

「ちょっとね…悪いけど、カーテンは開けないでね」

そう笑顔で言うと、ママは部屋から出て行った。

僕はしばらく何も言えなかった。

そんな中、ただぬいぐるみ達だけが、いつもと変わらなかった。

その日を境に、ママの様子が変わった。

やたらに外の様子を気にし始めた。

最近、連続殺人犯がこの辺りをうろついているからだろう。

僕はそう思っていた。

そう、クリスマスまでは……。