†Reality ring†    第Ⅳ章 ~弱みを乗り越えて~

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「ウッドローパー!!」 「しまった!?」 「きゃ!?」 「キャ!?」 「なになに!?」 「コウ!?」 「ルン!?」 しかし気付くのが遅すぎた カルナの召喚によってキコウ、ルン、コルド、リティの四人は地面から現われた木の触手に動きを封じられた それを見たリョウと亮は名を呼んだが既に二人はそれどころではなかった 「・・・詰めを見誤ったか・・・」 「な、何で・・・?倒したのに・・・」 「あんな攻撃で私が死ぬと思ったのか?」 悔しそうに呟くキコウの横でルンが驚きの表情でカルナを見ながら洩らすように言った それを聞いたカルナは見下すような笑みを浮かべると右手を握った 「くっ!?」 「うっ!?」 「あ・・・あぁ・・・!!」 「い・・・たい・・・よ・・・」 微かに触手の締め上げる力が増したためキコウとルンは表情を歪めた しかし精霊であるコルドとリティにはかなりの力だった そのため二人は擦れた声を洩らした 「コルド!?リティ!!お前ら戻れ!!」 「で、でも」 「大丈夫や・・・後は俺が何とかすんで!!」 「・・・うん・・・わかったわ」 「それじゃ・・・バイバイ」 キコウがその声を聞き二人に戻るように命じた だがコルドは不安げな表情を見せた しかしこれ以上コルド達をここに留まらせるのは本人達の命に関わってしまうためキコウは安心させるためにわざと笑顔で言った 実際は動きを封じられてしまっている時点でどうしようもないのだが そのことに気付いていないわけではないがコルドは頷きリティは別れの言葉と共に姿を消した 「ごめん・・・役に立てなくて」 「十分や・・・ありがとな」 「うん・・・死んだりしたら許さないからね・・・」 「こんなところで死ねるか・・・」 コルドもキコウの言っている事が嘘だと気付いていた そのためコルドは謝った だがキコウは優しくお礼を言った コルドは悲しげな表情でキコウに言うとそのまま姿を消した キコウはコルドのいた場所に笑みを浮かべ言った 「さて・・・どうする?」 「・・・」 (あの野郎・・・完全に舐めやがって!!つーかリョウ達が来なけりゃ捕まることも無かったんだ・・・とにかくこれをどうにかしねぇと・・・) カルナの挑発的な物言いにキコウは歯を食い縛った 頭の中でリョウ達に逆ギレをしながら触手の対処について考えた
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