†Reality ring†    第Ⅳ章 ~弱みを乗り越えて~

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「ルンちゃんこの算盤の珠に手届くか?」 「うん・・・何とか」 キコウは算盤をルンの方へ伸ばし算盤に手が届くかどうかを尋ねた ルンは伸びている腕を更に伸ばし何とか算盤に手が届くまでになった 「ならどこでもいいで下の段の四つ珠がある場所の一番上の珠を一つだけ弾いてくれ」 「うん!」 「させるわけないだろ・・・!!」 キコウはルンに算盤の珠を弾くよう頼むとルンは頷き指で珠を弾こうとした しかしカルナが黙って見過ごすわけがなかった 「ぐぅぅ・・・あぁぁ・・・」 「っあぁぁ・・・ぁぁ・・・」 『ガシャン!!ガラァァァン!!』 カルナがさらに触手の締め付け力を強くした それも武器を持つ腕の部分を集中的に強くしたのだ そのためどんどん武器を持つ手の力が抜けていきついに武器を落としてしまった 「くそ!!算盤が・・・」 「ごめんね・・・」 「いやルンちゃんのせいじゃねぇよ・・・でもどうするか・・・」 悔しそうに声を洩らすキコウにルンは謝ったがキコウはルンのせいではないと否定した しかし次の手が無いのも事実だった 「ねぇ・・・その腰の筆は武器じゃないの?」 「あぁ・・・でもこれは絵具つけねぇと使いもんにならんしな・・・」 「あっそうなんだ・・・」 ルンはキコウの腰にぶら下がったもう一つの武器:銀鼬蘭(ぎんたちらん)について聞いた 一応は武器なのだがそれを武器として使うには反対側の腰にあるパレットの絵具を使わないと筆だけでは何も機能しないのである それを聞いたルンは残念そうな表情を見せた 「いや・・・待てよ・・・いや行けるかもしれん!!」 「え?どう言うこと?」 「筆取れるか?」 「うんギリギリだけど」 だがキコウはさっき否定したばかりなのに何故か何かに閃いたように希望の色を見せルンに言った 当然わからないルンは聞き返した キコウはルンに腰の筆を取れるかどうかを尋ねた ルンはギリギリだが何とか取れると頷いた 「ならそれ取って俺がアートって叫んだら俺にその筆投げてくれ」 「?うん・・・わかった」 「ん?今度は何をする気だ?」 キコウはその後のことを指示するとルンは意味がわからなかったがとりあえず頷いた そんな二人の様子にカルナが気付き何かあったときのため右手をいつでも握れるように構えた
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