†Reality ring†    第Ⅳ章 ~弱みを乗り越えて~

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「かかったな!!」 「なっ!?」 「衝算打盤・金連(しょうさんだばん・きんれん)!!」 「くっ!?・・・後一歩だったな」 キコウは素早く立ち上がると算盤を構えた カルナはいきなり立ち上がったキコウに驚きの声を洩らした それもそのはず腹を貫かれ倒れた者が何のダメージもなく立ち上がったのである それだけではない貫かれたはずの腹の傷が綺麗に治っているのだ そしてそのままキコウはカルナに向け構えた算盤を振り下ろした だがカルナはギリギリの所で蛇骨で防ぎ不適な笑みを見せた 「いや・・・そうでもねぇ」 「何!?」 「・・・開け!!四次元倉庫!!」 だがキコウもニヤリと笑みを見せると四次元倉庫を開いた 「キ、キマイ」 「させねぇよ!!」 「ツインプレリュード・フレアブレード~二火歌の刃~」 「ッアァァァァァァ!?」 自分の背後に開いた四次元倉庫から現れたルンにカルナは咄嗟に唯一ルンの止めに向かわせていなかったキマイラを呼んだ だが全てを呼び終わるより先にキコウがキマイラの相手についた そしてルンを止めるものがいなくなりルンは二本のレイピアに炎を纏わせカルナの心臓部と首の部分にある魔玉を突き刺した 辺りに響いたカルナの悲痛の叫びと召喚した魔物の消滅により戦いが終結した 「おつかれルンちゃん・・・てかルンちゃん二刀流やったんやな」 「ううんこれキコウ君の物だよ」 「俺の?」 「うん!四次元倉庫の中にあったのを勝手に借りちゃったのごめんね」 「あぁ別に気にしてへんで大丈夫やで」 戦いが終わりルンの下へ来たキコウはルンが二本のレイピアを持っていることにルンが二刀流だったことに驚きながら聞いた だがルンはそれを否定した ルンの持つもう一つのレイピアはキコウの四次元倉庫にあったものでルンのレイピアではなかった 「それじゃこれ・・・はい!」 「確かに受け取りました・・・んじゃ戻るか」 「うん!!」 ルンはキコウにレイピアを返すと二人は観客席へと戻っていった
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