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第2章「天真爛漫な曲から絶望に至るまで」
『私の人生が変わったのは…そうだなレクイエムの依頼がきたあたりかな?』
レクイエム
それは、署名のない手紙と高額の謝礼を置いていった謎の男が依頼した曲と僕は聞いている
この頃のモーツァルト先生はすでに心身に変調が生じていたらしく
その男を死の使者と思い込み
とり憑かれたように曲作りに取り組んだと言われている
『私は気付いたのだ。天真爛漫な曲がモーツァルトなのではない。絶望こそが我が調べだと』
死の4時間前までレクイエムを書き続け
結局未完成に終わる
『私は完成させることは出来なかった調べを完成させたかった。だから、今生きる音楽家達を恨んだ、憎んだ、呪った。』
何故か涙が溢れ出した
『ん?どうした眼鏡』
「わからないです」
僕は震える声を抑えながら言った
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