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「はぁ…もう涙目…」
「~♪」
ご機嫌な姫のそばに不機嫌な家来…
国が潰れる直前のダメ姫はこんな感じなんだろうな…
「さて…僕はもう帰ります」
「ふぇ?わひゃしをひひょりにふりゅの?」
「ちゃんと飲み込んでから話しなさい。行儀の悪い…」
手で待ってと合図しながら必死に噛んでいた。
スルメ食ってたから面倒だろうな…
「…っあ~!!。私を一人にするの!?」
「また夜に遊びに行きますから。…ね?」
「むぅ…仕方ないなぁ…♪」
何で麻菜は妙に嬉しそうなんだろう?
でも…今はこれでいいや。
「じゃあ帰りますね」
「待った!!」
「…何ですか?」
「カバンよろしくね」
「…ハイハイ。夜に渡しますよ」
「ありがと♪」
久々に一人で帰った気がする。
過去の日常は異常になって、
過去の異常は日常になった。
「でも…僕は麻菜の事を知らないんだよな…」
僕の事を何故か把握している麻菜に対して僕は何も知らない…
誕生日も、身長も、好きな物も、嫌いな物も、そして体重は…聞けない…よね…うん。
命は大事にしなきゃ。
でもそんな麻菜でも僕の過去は知らない…
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