小5

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「はぁ…もう涙目…」 「~♪」 ご機嫌な姫のそばに不機嫌な家来… 国が潰れる直前のダメ姫はこんな感じなんだろうな… 「さて…僕はもう帰ります」 「ふぇ?わひゃしをひひょりにふりゅの?」 「ちゃんと飲み込んでから話しなさい。行儀の悪い…」 手で待ってと合図しながら必死に噛んでいた。 スルメ食ってたから面倒だろうな… 「…っあ~!!。私を一人にするの!?」 「また夜に遊びに行きますから。…ね?」 「むぅ…仕方ないなぁ…♪」 何で麻菜は妙に嬉しそうなんだろう? でも…今はこれでいいや。 「じゃあ帰りますね」 「待った!!」 「…何ですか?」 「カバンよろしくね」 「…ハイハイ。夜に渡しますよ」 「ありがと♪」 久々に一人で帰った気がする。 過去の日常は異常になって、 過去の異常は日常になった。 「でも…僕は麻菜の事を知らないんだよな…」 僕の事を何故か把握している麻菜に対して僕は何も知らない… 誕生日も、身長も、好きな物も、嫌いな物も、そして体重は…聞けない…よね…うん。 命は大事にしなきゃ。 でもそんな麻菜でも僕の過去は知らない…
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