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時は流れて修学旅行となりました。
未だに僕は家来で麻菜は姫です。
1泊2日の短い期間とはいえ夜に呼び出しをくらってます。
バレたら色んな意味で死ぬんだなと…
「雪夜!?早く来る!!」
「はいはい…」
今は自由行動で僕はのんびりするはずなんだけど…
何故か姫に引っ張られてます。
「もう…戻りましょう。時間切れです」
「え?もう?」
「えぇ」
正直…救われた。
「救われたとか思ってたら後で承知しないわよ?」
「!?…さ、さぁ…行きましょう」
「…思ってたわね?」
「…さぁ遅刻しちまう…」
「あ、ちょっと待ちなさい!!」
もの凄い本気で逃げた。
早く知り合いの元に逃げなきゃ殺される…
「…痛ッ!?」
後ろで声がした。
振り向いたら麻菜がコケていた。
「…ったく」
とりあえず歩いて近付いた。
手負いの猛獣は怖いけど…仕方ない。
「派手に転けたな…」
財布から絆創膏を取り出す。
自分でも入ってることにビックリだ。
「雪夜ぁ…」
「ほら。立ちな?」
涙目でこっちを見る麻菜を支えて立ち上がらせる。
手を離したらすぐにまた座り込んだ。
「…おい」
「…だって」
「…行くよ」
仕方ないので手を取って走る。
遅刻したら担任の大目玉だ。
後ろで微笑む麻菜に気付くはずもなく集合場所に5分遅れたが麻菜の名演技によってお咎め無しで済んだ。
そして時間は流れて夜になった。
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