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ハッと目を開き僕は目が覚めた。電気も無い天井が目に映る。
(自分の部屋じゃない)
ゆっくり体を起こす、病院の検査の時のような服を着ている。あたりを見回すと、小柄な女の子がこちらを見ていた
(年齢は僕と同じくらいだろう)
女の子は何も言わず、黒く、冷たく、吸い込まれそうな瞳で僕を見ている。
(誰?)
「おはよう」
静寂な空気の中、落ち着いた口調で女の子が言う。
月の光が射込み他に二人、部屋の中にいるのがわかった
細身だが長身の銀髪の男。そして赤いスーツで厳しい視線をこちらに向ける女性二人共外国人のようだ。
「おはよう、調子はどう?」
銀髪の男が話しかけてきた。やけになれなれしい。女の方は相変わらずこちらを見ていると言うよりチェックされているようだ。
「いいぞ…シグマ」
男がさっきの少女に言っている。
「さぁ…あなたにテストをうけてもらうわ。そんなに難しいテストじゃないわ」
そう言うと少女は僕にナイフを手渡した。重みのあるサバイバルナイフと言うやつだ…これをどうしろと言うのだ?
考えているといつの間にか少女も同じようなナイフを持っている。
「なぁ、一体なんの…」
僕が話しかけた瞬間…
少女のナイフが僕の頬をかすめた…
「死にたくなかったら、本気できなさい」
「そ、そんなこと言っても…」
(…わけがわからない。戦えと言うのか?)
(このナイフで?)
(そもそもここはドコ?)
(なぜ僕がこの子に襲われなきゃならない?)
僕は背を向けて逃げ道を探した。出口はないのか?扉は?窓は?
あたりを見回す暇もなく後ろから明らかな殺気が近付いてくる。それに恐ろしく動きが早い。
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