序章

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 ──魔法都市アルケイディア。  現在、世界の中で最も栄える魔法都市である。  都市の中央にたつ、大きな建物こそが、魔法使を志すものならば誰もが憧れる場所。アルケイディア魔法使養成学校、通称アルマ。  そこを卒業することができれば、誰もが(もちろん国内限定ではあるが)立派な魔法使として認めてくれるのだ。  そんな学校を夢見る少年が1人。マルク・サンバディエである。 「俺も・・・アルマ行ってみてぇなぁ・・・」 「何言ってんだい。あんたに魔法使の素質あるわけないでしょうが」  マルクの呟きが聞こえたのか、母親が洗い場から顔を覗かす。 「自分の息子に夢を持ってみようとか、そういったのは無いのかな、この人は・・・」 「あるもんですか。あったのならアルマとは言わないもののどこかの魔法使養成学校にいれてるわよ」 「あぁそうですかっ」 「えぇ。それに引き換えメリアちゃんはすごいねぇ・・・」 「アイツの名前は出すな」 「はいはい」  メリア。メリア・シュスラフ。お隣の家の、女の子である。マルクよりも1つ年上で、今年からアルマに通っている。 「ちぇ・・・メリアめ・・・」  幼馴染みということもあってなかなか競争が絶えなかった2人である。そこで、自分の行きたくてたまらないアルマに入学できたということで、不貞腐れているのだ。
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