─導き─

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いつもと変わらない、中学校の放課後… 「光!カラオケ行かない?」 いつもなら、友達に誘われたら二つ返事で行くけれど… 「…ごめん、今日はちょっと…」 「具合悪いの?」 「うん…少し、ね」 わたしを心配そうに覗き込む。 「そっか…ゆっくり休みなよ?」 「ありがとう…ごめんね?」 謝るわたしにポンッと肩を叩き手を振った。 「いいって!光、じゃあね~」 「うん、バイバイ!」 友達と別れ、家へ向かいながらため息をついた。 「はぁ…進路かぁ」 わたし明和光(めいわひかり)は中学3年。進路をどうするべきなのか─路頭に迷ってます。 別にどこかの高校に入りたい訳でもなく、かといって将来の夢なんかもない…。 「はぁ…」 ─ドンッ! ふらふら、帰る時いつも通っている商店街をさ迷いながらため息をついてると、ぼーっとしていたせいか、誰かとぶつかってしまった。 「きゃ」 「いって!」 わたしも、ぶつかったであろう相手も尻餅をついた。正面には男の子が頭を押さえている。 「ごめんなさいね…?お怪我はなくて?」 上品な言葉で優しい声と共に、すらりとした手がわたしの前に差し出された。
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