第4章「歓喜の終わり」

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ーベートーヴェン宅ー ベートーヴェンの家にはカールが先に来ていた 「カール…先生の様子は?」 「今少し落ち着いたみたいで、眠ってるよ」 私は1人ベートーヴェンの様子を見に行った 『ベートーヴェン、こんな所でくたばるのか?』 「モーツァルト先生…俺は、もう思い残すことはないカールにも楽譜は届いたようだしな」 『そうか、ならばあの世でサリエリに会ったら伝えもらいたいことがある』 「何ですか?」 『今まで本当にすまなかった。と』 「わかりました。伝えましょう…」 私はベートーヴェンと握手を交わした と、ベートーヴェンの手を握った瞬間私の中に何かが流れ込んできた そう、あの絶望から絶望を乗り越え歓喜にたどり着くまでのコイツの 記憶、感情全てが私の中に流れ込んできた 『そうか…これが絶望の先…』 私は涙が溢れて止まらなくなった 絶望の先の光それはコイツ自身 私の探し求めていたいたのはこの光…? 「カール…最後にお前に俺の想いが届いてよかった…」 「父さん起きてるの?父さん?父さん!!!!」 異変に気付いたカールはベートーヴェンの体を大きく揺さぶった 「カール?」 「フランツ…父さんが…」 眼鏡は俯き涙を流した
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